SSTR2016に参加して
全国3万人の皆様ご無沙汰しておりました。猫の顔でございます。
このところ多忙でして、ホンダ最新型空冷SOHC4気筒のCB650に乗ることが少なくなっていました。
お盆はCB650にて帰省しましたが、その後、フィリピン-インドネシア出張等があり、なかなか一筆したためる時間が取れませんでした。
この前、かの有名なSSTR2016に参加しました。もちろんキャンプのみの参加でして主催者の風間さんには申し訳なかったのですが、重度の万年金欠病に苦しむ猫の顔はやむなくモグリ参加となったのでした。
お盆以来の久しぶりの長距離でしたが、いかんせん、天候には恵まれませんでした。
当日の朝には、家族の誰もお見送りのないまま、さびしく出発したのでした。オドメーターは28826km。この数字をどれだけ伸ばせることができるのかを楽しみにしての参加でした。
セル一発始動。チャイナバッテリーは快調です。心なしかオイル残量が気になっていたので、カストロールの怪しげな1本1500円程度の安物オイルを継ぎ足しての出発でした。そうです。白煙が出るのでした。当然オイルを燃焼しながらの走りなので、もしかしてと思い、400CC程度を注油したのでした。
0830自宅前を出発。チョークケーブルがいつぞやの軒下メンテナンスで盟友のタロー君が取付部のプラスチックをへし折ってくれたので、どうも戻りが悪いのでした。走行すると振動でいつの間にか元に戻るという具合でした。
国立府中から中央高速に入りましたが、途中の一般道でもアクセルオフ時の回転の下がりが遅いので、チョークを引きずりながら走っているのは明白でした。この時点では天候は曇り空のまずまずというところでした。
中央高速では、地元ナンバーのCB750K6に出会いました。しばらく追従して走っていると、ガソリンとオイルの燃焼した懐かしい臭いを吐き出しながらCB750は疾走するのでした。4本マフラーからはうっすらと黒煙が出ているのでした。俺のCB650も、後ろ姿はこのような痛々しい具合なんだろうと思いながら、無理してCB750を抜いたのでした。ライダー氏に左手であいさつをしながら無理して華麗さを装い、抜き去りました。
松本インターを降りて給油。208km走行、9.79L、21.3km/Lという少々食った走りでした。
そうです。チョークを引きずりながらの走りなので少し食ったようです。スタンドのおじさんが
「SSに出るの?」
と話しかけてきました。訊いたら
「今日はもう何台もSSに出るのだというオートバイがここで給油していったよ。」
とのことでした。SSTRもずいぶん有名になったものです。
ここからが結構な難所の安房峠アタックなのでした。天候はギリギリもっていましたが、とうとう安房峠の直前で雨。それも結構な降りでして、SS参加と思しきライダーたちも道端でカラフルなカッパを着装していました。私はこっそり上高地行きの観光バスの発着場の軒下でカッパを着るのでした。
なんとか安房峠を越えて高山の街に出ました。ここからは東海北陸道に入り、一路富山、石川と懸命にキャンプ場を目指すのでしたが、いかんせん大粒の雨がビシビシと音をたてて体に着弾するので、痛くて90km/h以上にはスピードを上げられないのでした。東海北陸道では、多くのリッターバイクや、BMWのアドベンチャーツーリング系のマシンがCB650を、雨をものともせずにビュンビュンと抜き去るのでした。最新型の2輪とタイヤは雨天時の高速安定性も優れているのでしょう。
途中のPAで小休止。SSTRの2輪がうじゃうじゃいましたが、だれもスタンプを探すのに必死で、ホンダの最新型の空冷SOHC4気筒には目もくれないのでした。
ようやく石川県に入りました。金沢森本で降りると大量の2輪車が一路千里浜を目指して飛ばすのでした。「のと里山街道」まで来ましたが、もう2輪が一杯です。ゆっくりと90km/hで巡航するCB650を1台の旧車がパコーンと豪快に抜いていきました。
スズキの誇る「大いなる余裕」で売り出した水冷2サイクル750でした。どこぞの黒い集合管を装着しており、「コーン」という4サイクルのような連続音で走り続けるのでした。
これも無理して抜かなければなりません。抜く際に左手で挨拶をしましたが、GT750氏も挨拶をくれたので、ここからが見せ場とばかりさらに右手を開けたのでした。ほぼ140km/hまで加速してホンダの誇る空冷SOHC4気筒を搭載した(くどい!)CB650の高速性能が非常に優れていることを、かなり無理して背中で語ってみせてあげました。
さすがに雨天での140km/hは怖かったので、抜き去ったあとは、「見せ場は終わった」とばかりにゆっくりと走行車線に戻りまた90km/h程度で巡航する小心者の猫の顔でした。
キャンプ場では既に大阪からの参加のK氏と埼玉から参加のM氏が到着していました。この頃は、雨は小降りでしたが、この天候の中でテント設営はヤル気が失せるのでした。
キャンプ場のおばちゃんが倉庫の前の軒下なら泊っていいよとのナイスなプレゼントをくれたので、猫の顔、K氏、M氏、タロー君の4人はその軒下で野宿する事にしました。
しかし、この軒下というのは非常に具合が良く、雨が降らないというのはこんなに嬉しい物かとずいぶん感激しました。おばちゃんありがとう。
走り終えた後のディナーはシェフのK氏の「ノルマンディー風ベーコン、アサリ入り、茹でマカロニ」、「コロッケ」、「パン」という高級レストランでもお目見えしないような豪華食品が並び、発泡酒と焼酎で、酒盛りが始まったのでした。
酒宴の出し物は、焼酎の回った私、猫の顔の「W1SAの3速全開」とか「XS1のキック始動状況」、「CB750の1速シフト時のノイズの変遷」とかの、ロックで、手の込んだライブな口真似大会でしたが、練習不足にも関わらず、そこそこの出来で、酩酊して聞き惚れるK氏の喝采を浴びたのでした。
その夜は、銀マットの上で惰眠をむさぼる猫の顔の、これまたライブな「HM300の3速全開」の排気音が、周囲の皆様を深い眠りの世界にいざなうのでした。
次の日
皆さま、そそくさと起き始めました。適当に豪華な朝食(昨夜の食材の食べ残し)を頂き、やおら猫の顔も動き出すのでした。このキャンプ場からはSSTRの2日目の催事に出るタロー君、大阪に帰るK氏、途中で一泊予定のM氏とみんなバラバラとなるのでした。
雨降りの朝の始動。緊張が高まるのですが、ひどく使いづらいチョークを引き、セル1発始動でした。
さすがはチャイナバッテリーです。この時にすでにチョークワイヤーは雨天による油切れの状態でしたので、またしてもガスを食う走りとなることが予想されましたがそうでもなかったのでした。
金沢から北陸自動車道を北上して、雨降りの安房峠こえを避けるためにCB650とは初めての経験である、上越回り関越道経由で帰京する事を決めた猫の顔は、ぼちぼちガソリンが気になりだしたのでした。
10:24、小矢部SAで給油。308km走行、12.6L、24.5km/Lという燃費でした。しかし、139円はボリ過ぎのような気がしたが仕方がない。ここで綺麗な青のW1Sに出会いました。
私は給油したら必ず燃費を計算し、記録するようにしていますが、燃費は愛車の状況と、給油地点までの自身の走りを検証する最適な方法と考えております。雨天でもかなりの好成績だったので気をよくして心配していたチョークの引きずりもないのであろうと合点して、一路新潟へと向かうのでした。
それにしても豪快な雨。バチバチと大粒が体にあたり、痛いので元気も体力も消耗するのでした。一時的に親不知付近でやみましたが、左手の日本海は早くも黒い雨雲が海面に低く立ち込める冬の日本海側特有の景色でした。
上越JCTから上信越道へ。ここからの道のりは降雨に加えて標高差による霧の中を懸命に走ったのでした。とにかく寒いこと。偶然、昨夜寝る前に左胸ポケットに入れた携帯用カイロが奏功してかろうじて暖を供給してくれるのでした。
14:57長野市松代PAで給油。237km、9.78L、24.3km/L。まずまずの好燃費でしたのが精神的な唯一の助けでした。雨天時はタイヤのスリップ率が高くなるので燃費は下がるのですが、さすがは新品のダンロップTT100-GPです。しっかりと走ってくれています。
藤岡JCTから関越自動車道に入りましたが特有の、ノソノソ渋滞でした。本当に嫌になりましたが、最も閉口したのは埼玉県に入ったあたりの地域の牛舎からとおぼしき「牛のう○この臭い」でした。あたり一面に漂っていますが、道は渋滞。逃げようにも逃げられずにひたすら我慢しての走りでした。晴天時の2シーターオープンでデート中の男性がこのような状況に陥った場合の気まずさといったら、察するに余りあるものがあります。
とにかく我慢の関越道から圏央道に抜けました。最近圏央道は東名高速と繋がったのですが、めちゃ混みでした。夜間の雨天という最悪のコンディションで、これまた渋滞に我慢しながらの走りとなりました。
やっとの思いで中央高速に別れると、圏央道はがぜん流れ出すのでした。
中央道八王子を越えて、石川PAで休憩。ゼッケンをつけたSSTR帰りの2輪が一杯でした。
やっとの思いで、自宅についてカッパを脱いだ時に「ああ、東京に着いたのだな。」と一人合点しました。
オドメーターは29823km、997kmに及ぶ一泊二日の熱い男のツーリングはここに幕を降ろしたのである。
50男にはしんどいツーリングであったが、富山-新潟-群馬間で豪雨の中を黙々と走る愛車を労わりながらの走行は、一生忘れないであろう。頑張ったなあ?CB650.よ?
俺もしんどかったよ。けど、面白かったなあ?また走ろうな?
来年、晴れた日本海を見ながら酷暑の中、休憩するCB650と俺を夢見て。ピース!

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