青春の思い出 ~XL250S~
そもそも私たちがオフに目覚めたのは、一般公道用50ccや80ccモトクロッサーによる草レースに参加しはじめてからであり、私も普段乗る単車を新車で購入したロードスポーツ(RS―Z)から中古のXT250へ乗り換えた。
当時はロードスポーツの愛好者は峠に通ったものだが、オフ車に乗り換えてからは特に林道をわざわざ探し求めて走りに出たわけではなかった。
オフ車は視線が高く、両腕をがばっと広げて乗る姿勢が堂々としており、また一方、とても軽快に街中を走れる。普通ロードバイクでは気になる歩道との段差などは難なく越えて走れる。そんなオフ車の乗り味は、一般道でも充分に楽しかった。さらに、川原やたまたま出くわした林道においても、問題なく走破できる能力に、さらに満足だった。そういう意味では、「ディユアルアパーパス」という言い方が正しいのかも知れない。
XL250Sは同じ大学で2人が所有していた、当時の超人気車であった。
モデルは友人が乗っていた、サイドカバーが小さい初期型が好きである。幅の広いハンドルの中央には、膨らみをもったブラスチックカバーで覆われた大型のスピードメーター、厚みのあるシート、当時では珍しかった、シート後方に備え付けられる「ライダーバッグ」が装備されていた。
そしてなんと言っても23インチフロントホイールは、この単車のスタイルを特長付ける。千里浜海岸に注ぐ、砂地の川越えにおいて、XT250T,KL250が途中で水没したにもかかわらず、XLは難なく川越えに成功したことからも、その走破性はすばらしい。
その高い走破性は当時の初期型のカタログにも“しつこい“ぐらいに謳われていた。
以下、連続でカタログからの抜粋である。
しかし当時のオフロードライダーのファッションセンスは実に興味深い。
次の写真は見るからに沼地であろう。とても勇気のいるチャレンジである。
最後の二枚は、おまけ。
当時のXL250S所有者の一人であるK氏である。
たしか84年ごろの夏に、私のXT250と東北を一周した時の、ある林道での連続写真である。これも良き青春の思い出である。
