先だってクエートに行ってきました。
クエートは、3度目ですが、ついぞ走り去る二輪車を見たことがありません。というのも、当地は砂嵐がひどく、とても二輪では、走り回ることができないからでしょう。クエート人は高級外車が大好きで、日本のレクサス、ドイツのベンツ、BMW、アメリカのフォード、リンカーンとか我が物顔で走っています。湾岸戦争では、アメリカがクエートを救ってくれたという意識が強く、アメ車も数多く走っています。なお、このクエートではガソリンは18円/1リットルという破格の価格ですので、大食いのアメ車でも大丈夫です。
ただ、いかなる高級外車も、この砂嵐の前では無力で、すぐに塗装や窓のゴムパッキンとかがボロボロになってしまうそうです。ついでに、海岸が近いので砂は塩分を含んでいるらしく、エアクリーナーから吸い込んだ細かい砂はエンジンを短期間に効率よく充分に研磨してくださるようです。
その割には、なぜか空港のロビーには、かの「ハーレーダビッドソン」の看板があったので、よほどの物好きが、購入するのでしょう。街中では一切お目にかかっていませんが。

クエート市内では、中古原付き改造の移動式ペプシ販売車両がありましたのでさっそく撮ってきました。原型はたぶんホンダのCD50です。
テールランプは日本でも良く見るホンダCD50のものです。ただし、両サイドのオレンジのリフレクターがあるので、かの、CB750FOURのK0、K1のものと同一です。これは日本国内では既に欠品の品物です。貴重品です。ヤフオクで販売できます。次の画像では、マフラーがCB50のものに変えられているようです。
ところで、このペプシ屋の車両は一体どうやって操縦するのでしょうか?
シートカバー代わりの毛布の上に、座るのでしょうか?動力はもちろん空冷4サイクルOHCでしょうが、スロットルとか、クラッチ、ブレーキの類が鉄製ハンドル部分にあることから、多分前輪が2輪の、合計3輪車というところです。後輪1輪のみの駆動となります。塗装は砂を警戒してか、もしくは冷却を確保するために黒色一色とするのが、かの地での常識なのでしょう。
察するに、コーナーリング時には、慣性モーメントが非常に大きく、腕力のみで、カジを切るようです。ブルーワーカー並みの腕力が必要です。そのためかハンドルバーは男らしく、一文字ハンドルで決めています。というより鉄パイプの様ですが。誇らしげに残したハンドルのスイッチ類が泣かせます。
バネ下荷重の低減を図って、取り払われたチェーンケース。下を向いたままのウインカー、極端なフロントヘビーのこの車体を、剛腕で操るのは、現金へのあくなき執着から発するアラブ人の信念であるといっても過言ではないでしょう。健康の為に働き過ぎに注意しましょう。
バスかトラックからもぎ取ってきたようなバックミラーもいい雰囲気を出しています。クエートは右側走行なので、ミラーは左側だけで良いのです。駆動力を発揮するリヤタイヤは「真ん中減り」を既に起こしております。たぶん2.75-17のメーカー不詳のカブタイヤです。グリップが心配です。見ているこっちが思わず心配してしまいます。

謎の多いアラブの国で見た謎の二輪(三輪?)でした。
これで灼熱のクエートからの二輪車事情レポートを終わります。
提供はアラビア石油。 クエート観光省でした。
執筆 猫の顔

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