ツーリングの朝は酒の匂いがお好き?
忙しいことを理由にするわけではないがこの間、単車に対してもメンテナンスに手が廻っていなかった。ただ、このCB750FOURはショップの人も語っていたが、しっかり整備チューニンングしてあれば夏でも冬でもとても調子よく始動するエンジンである。
そして、ツーリングの朝、いつものように近所迷惑にならぬよう、HM300のサウンドを控えつつ、自宅前の坂道で押しがけで始動させ、暖気運転を兼ねて同行するXJ650Specialと落ち合うコンビニエンスストアへゆっくりと走らせた。
本日、山梨方面、紅葉と立ち寄り温泉に浸るのが目的である。
中央高速調布ICを入る前に先ず給油をしたが、スタンドを出発する前に、XJ K氏と次の休憩ポイントを確認していると、そこに1人の50代のおっちゃんが近寄ってきた。
そのおっちゃんはジャージにサンダル姿、そして朝から酒の匂いをプンプンさせている。
二日酔いではなく、明らかに直前まで呑んでいた匂いである。つやの無い頬はしっかりと紅潮している。
CBを食い入るよう凝視し、単車の周りをゆっくりと一周すると、
「なっっつかしー単車やなぁ~~!!」
「よう、レストアしてあるなぁ~~!」
「どうやって手にいれた?」
「いくらで手に入れた?」
「わしは4年前にW1SAを手放したんや~。」
と、いろいろ話をしてくる。
私も毎度の事ながら好きな人もいるんやなぁ、と思いながら、悪い気はしなかった。
「スポークなんか一本づつ磨いたらいいんや~。」
「う~ん、ようレストアできてる。」
「多少、錆があるのが、それがええんや~。」
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そのおっちゃんの語りかけに、最初はしっかりと相手をしてあげたり、逆に質問も投げかけたりしていた。
だが一方、相方のK氏はそろそろ先を急ぎたく、メット、グローブも身に付け、単車にまたがり、背中に
“早く行こうよ” 感
を醸し出している。
可哀想なことに、そのおっちゃん、K氏のXJ650Specialには一切、見向きもしない。あれはあれで、なかなかお目にかかれない単車ではあるのだけれども。
そうこうしているとおっちゃんは、
「音、聞かせてくれやぁ~」
これはエンジンをかけて、この場を離れるよいタイミング到来や! と思いつつ、
「しょーがないなぁ~」 とメットの中でつぶやきながら、セルスタータでエンジン始動させ、
一呼吸置いてから右手首をすばやくスナップさせた。 「ズオン!」
「うおお~~、やっぱりええ音しとるなぁ~~~!!!」
こんな朝でツーリングはスタートしましたが、雨にはあわなかったものの、思った以上に寒い道中でした。東京、八王子あたりの戻ってきたときは、都会の暖かさにホットした次第であります。
本日内容がツーリングレポートでなくてすみません。
