復帰第一戦ツーリング
その工程は、初日には東京から、長野県駒ケ根市の温泉までの走行でした。同行した若い衆の二輪が125ccのスクーターであったので、20号線の大垂水峠は通れないということで代わりに、聞いたことないような田舎道をひたすら走り、山梨県までいったところで、長浜ラーメンの昼食としました。替え玉1個追加しました。そのうちに我が荷物を押さえているゴム製のネットがどうも大きすぎたようで、ゆるゆる状態になっていたのを発見したので、自転車用のゴムひもを2本購入して、ひたすら駒ケ根温泉まで走りました。この日の走行は、250km。温泉に入った後のビールは身体に染みました。久しぶりの200km越えのツーリングでした。
二日目。どうやらみなさんの予定が変更になり、行き先が当初の浜松から飛騨高山になりました。こうなると、イキのいい若い衆の言いなりになってそのあとをついていくしかないという、情けない姿で、猫の顔はCB650を操るのでした。途中、たくさんの二輪車に出会いました。みなさん、カラフルな革つなぎをまとい、颯爽と新型のオートバイで疾走しておられました。もちろん我が単車と同じCB650とは1台も遭遇しませんでした。発売当時でも売れていない二輪であったのと、その時点から30年以上の年月が過ぎているのが敗因だったようです。
高山「甚五郎」という店で、名物の高山ラーメンの大盛りを食べました。これは非常においしいもので、さすがに繁盛していました。ここから大阪組は一路、名古屋へ出て、名神高速で帰るのです。東京組の3人は、125スクーター君は、全部下道で、来た道を戻り、20号線をひた走るという工程でした。猫の顔は、かの有名な「平湯峠」と「安房峠」を抜けて松本から高速で中央高速経由で帰ることにしました。この峠越えが非常に厳しいものとなることは、ラーメンの余韻に浸った猫の顔の脳みそには想像すらできない事でした。
まずは、平湯峠。これもかなりの難関でして、とにかく気温がみるみる下がっていくので、非常に厳しい行程でしたが、なんとかクリヤ。そのあとの安房峠までの道には、四輪がびっしりと詰まっています。同行した250スクーター君の説では「新道の安房トンネルは大渋滞らしいから、旧道を行こう。」という気が遠くなるような計画でした。安房峠の手前の道路標識には気温10℃の表示が出ており、ここから安房峠を登るのかと思うと、さすがにイヤになりました。仕方なく旧道を走り始めたら、対向車は全くと言ってよいほど現れず、心細い峠越えとなりました。25年前にCB750で越えた記憶がありますが、その時は、まだお日様が高く輝いていたのでした。対して今回は、いよいよ日没に近くなり、気温はおそらく数℃まで下がっていたのでしょう。ようやく頂上にたどりつき「長野県」の看板を見た時には、少し感激してしまいました。
ここから、日没までの間に、この山道を通過しなくてはなりません。寒さや暗闇、孤独感が映画の八甲田山を連想させるような悲壮感を演出するのでした。
そういえば、そろそろガスもなくなってきた。松本に抜けたら、ガソリンを入れなければなりません。ひたすら大渋滞の四輪の脇やら、反対車線やらを走り(!)、ようやく松本市内に入りました。さっそくガソリン補給。燃費は約22km/Lですので、結構なものです。
松本市内では、先だって知り合いになったKさんの店にいき、ショーウインド越しにCB650とCB750Fourの写真を撮らなければなりません。CB650を並べて写真を撮りました。
ここで、悪い癖が出ました。もし松本市内で宿が取れれば、もう一泊してもよいか?と思い始めたのです。それほど、寒さの中を走るのが苦痛であったのです。あいにく、尋ねたすべての旅館、ホテルは満員であり、あっさりその夢は消えました。こうなっては根性出して何時になっても東京に自走して帰らなければならないと腹をくくって、松本ICから長野自動車道に入りました。途中のSAで、カッパを着込みました。これがなかなか奏功して、意外に暖かいのでした。道路の電光掲示板には「諏訪から渋滞35km」とか「大月から25km」とかの表示が、余計に東京までの道のりを遠くさせるような気がして、無視して走るのみの猫の顔でした。
何度も何度もPAやら、SAに入り、トイレと水分補給を繰り返しているうちに、時計は24時を回りました。こうなっては我慢するしか仕方ないのです。ひたすら70km前後で走る猫の顔でした。相模湖まで来ると、気温がいくらか和らいできたような気がしました。標高による気温の下落は想像以上に大きいのでした。
途中のPAで知り合ったXLR250氏としばらく語り合っているうちに、時計は0200を回りだしました。連絡先を交換して、ようやく自宅に帰ったのが0330でした。めっちゃ寒かったのでした。
本日の走行、約450km。疲れた。でもこれで、長年の夢であった「1DAY1000km走行」もできそうな気がしてきました。でもそれは来年に実施するものとします。
猫の顔は自宅のせんべい布団で、丸くなって寝るのでした。
おしまい。

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