猫の顔、JAFのお世話になる!
皆様、3連休はいかがお過ごしだったでしょうか?
私こと、猫の顔は、野猿街道沿いの古びた単車屋に「CB650カスタム」が置いてあるのを、走行中の車の中から、旧車発見動態視力25.0の能力で、土曜日に瞬時に見つけ出しました。
もちろんここはベースモデルのホンダの誇る空冷SOHC4気筒の出番です。
いきなり、例の単車屋に乗り付け、「おっさん、あの650は売り物か?」 と訊くべく、昨日、愛車CB650の車体カバーをめくったのでした。 先日の台風の影響で、バッタ屋で購入した安物の車体カバーはビリビリに破れていたのでした。
車体カバーをめくり、ガソリンコックをON、セルを回すと、うす暗いオイルランプが、そのまま消えるのでした。そうです。バッテリーが上がっているのでした。
解っていました。ここは騒がず、4輪からジャンプすることにしましたが、いかんせん、長い間寝ていた珠玉の4気筒エンジンは、なかなか目覚めないのでしたが、そのうち、1番シリンダーからのオイルスモークをモクモクと吐きながらアイドリングを始めたのでした。
ホンダの誇る、大容量ジェネレーターのおかげで、少しのアイドリングでも、十分に充電したと錯覚した猫の顔は、エンジンオイルが完全に暖機されたのを確認してから、久しぶりにジェントルな4気筒サウンドを奏でて走り出したのでした。
走り出して1キロもいかないうちに、信号待ちで、いきなりエンストをしました。
もうセルは回らないのでした。
疲れ果てたバッテリーは少し走ったくらいでは充電しないのでした。というより充電能力がかなり劣化しているのでした。
あわてて、左足で漕ぎながら、右手を見ると、川の堤防の下り坂があるのでした。車体を降りて押しながら、下り坂まで行き、よくよく落ち着いてから、3速にシフトし、キーを入れ、キルスイッチを確認しながら坂道を降りたのでした。スピードが乗ったころにクラッチON!
珠玉の4気筒はまたしても快調なサウンドを奏で始めるのでした。ますます嬉しくて有頂天の猫の顔は、例の単車屋に直行すべく、走り出しました。
大通りの手前で一旦停止。途端にエンストでした。血の気が引きました。案の定、セルは回りません。どこか、パトカーでも来ないものかとしばらく待っていましたが、道行く4輪は冷たい視線を珠玉の4気筒に浴びせながら去り行くのでした。
大通りから少し下がったところに緩い下り坂があったので、そこでまたしても押し掛けをトライしました。下り坂の長さが足りないので、押して勢いをつけながらクラッチON!
4気筒は沈黙したままでした。さらに押し掛けを続けましたが、4気筒サウンドは響かないのでした。ハアハアと息が切れます。汗もびっしょりです。軽量化されたとはいえ、この650は200kgあるのです。これを押しながらクラッチつないで、リヤタイヤがロックしてもエンジンはかからないのでした。
むかついたので、行きつけの単車屋に電話したら、「今、多忙です。」 と断られました。ただし「JAFに入っているのであればサービスを受けることができますよ。」 と教えてくれたので、電話してみることにしました。
JAFに加入したのはかれこれ35年前です。年会費の支払いばっかりで使ったことがありませんでしたが、財布の中の会員カードを見ると、会員期限が切れていました。
それでも何とかなるかと思い電話してみると、「到着は40分後になります。」 とのことでした。
ひたすら、JAFを待つ間にエンストの原因を考えていたのですが、バッテリーがほぼ完全放電している場合は、ジェネレーターの発電はほとんどが自身の点火に回るので、充電する余裕はほとんどないのだからと結論が出ました。
やっと、JAFの到着です。
JAFの兄さんは、超小型のバッテリーをライトバンから持参してきました。
テスターで電流を計測したらほとんど電流はありませんでした。
バッテリーをつなぐと、即座にかかるのでした。そして発電量も計測してくれました。
ジェネレーターは14.1Vで発電系は大丈夫でしたが、いかんせん、バッテリーが完全に終わっているとのことでした。
「エンストしないでくださいよ。」 と注意を受けました。
「このCBは珍しいですね?」 とうれしいことを話すので、
「いやあ、全国でも20台くらいでしょうかねえ?」 とさりげなく自慢したのでした。ガンガンにアイドリングしたあとで、やおら走り出しましたが、目的の単車屋の500m手前でまたもエンスト。泣きたくなりました。もうかかりません。
仕方なく嫁さんを車で呼びつけ、またしてもジャンプしてエンジンを掛けたのでした。
もう冒険はやめました。行きつけの単車屋に帰るべく、恐る恐るヘッドランプを点けながら、少しでも発電量を上げようと、3速のまま、CB650は走るのでした。
エンストの理由はやはり、バッテリーです。
電気がないので、ジェネレーターが発電してもほとんどが点火に回ってしまうので、充電しないのでした。ヘッドランプさえ、アイドリングではちらつくのです。それは発電した電気が点火以外の時はヘッドランプが明るくなり、点火の時は暗くなるというちらつき現象を繰り返していたからわかりました。
単車屋についたら、「今は車庫が一杯なので、とても預かりはできない。来週にしてくれ!」と言われたので、仕方なく、期待せずにセルをまわしたら、やはり動きません。
店の、ハヤブサのバッテリーを借りて接続したら、かかるのでした。これまた恐る恐る2速ホールドのまま、自宅に帰りついたのでした。
全国3万人の読者の皆様。くれぐれもバッテリーには注意しましょう。バッテリーのトラブルは、急激に現れますよ。そして致命的なトラブルですから。
つくづくキック付きの2輪がいいなあと思えてきました。やはり、Z750ツインかなあ?とかCB500Tかなあ?とか、アホな考えしか浮かばない猫の顔でした。
今、思いついた車両でさえ、すでに40年近く前に絶版車両なのですが、頭の中には、こうした2輪しか記憶がない猫の顔は、本当に病んでいるのでした。
いつか、完調なCB650を夢見て。
本当によくなるのか自信がない猫の顔でした。
