メンテナンスフリーのインジェクションは、如何なる状況においても常にその時に必要、かつ適正な出力を引き出すべく1401ccのシリンダーに燃料を噴射させる。サービスマニュアルには、始動時には四気筒全てに噴射、定常時にはそれぞれの気筒の爆発タイミングを見計らって噴射させる、と記載されていた。その必要最小限の燃料コントロールによるところなのか、燃費もCB750FOURの20km/L弱とほぼ変わらない事に驚く。
今朝の出発時も、始動時にチョークを引くこともなく、暖気をすることもなく、家を出発してから5分後には東名川崎ICのゲートをくぐった。
今日は東北自動車道を通り日光中禅寺湖を目指す。連休中日、当たり前の用に朝から車で混雑している。首都高にもライダーの姿が目立つ。どのライダーも少量の荷物をリアに装備し、日帰りもしくは1泊程度のツアに向かうものばかりか。
大橋ジャンクションのループで何回転かしたあたりから、前方に一台の単車乗りとランデブー状態が続く。その単車は、決して無理な追い越し、すり抜けなどせず車の流れに乗り、合流車線では合流車にうまく道を譲る。高速道路では追い越し車線を疾走する単車がほとんどであり、そんな単車ヤロウが現れた時は、追尾を開始してやろうという気持ちを抑えるのに苦労するが、今日は天気も最高、気持ちにも余裕があるし、前方の「大人乗り」の方の後ろについていくことにする。
あまり接近するのも相手にプレッシャーを与えるし、単車の車種が判別できるかできないかぐらいの距離を保ちつつ、車列の流れに乗る。後輪が片持ちなのでBMWであろうか。
幸い(?)にも、首都高のジャンクション毎に向かう方向が同じである。間に車が入ったり、また東北自動車道に入ってからは渋滞に巻き込まれ、そのBMWもハザードを付けながら安全な速度で車の列をすり抜ける。走行しているうちに3車線のうちの違う車間から私がBMWを追い越してしまうこととなった。黒いツナギにはBMWの紋章が、そしてBMWの車種には詳しくないが、単車のフロントカウルのサイドには、「巨大なBMWのエンブレム」。ヒョットしてBMWジャパンの人? と思ったり。
結局、そのBMWを見失ってしまったが、数十キロ先の羽生PAで休憩していると、そのBMWが後から私の横に滑り込んできた。すかさず私から話かけてみた。
「こんにちは、 あの~、、BMWの方ですかぁ?」
ヘルメットを脱いだ方はロマンスグレーの品の良いおじさんで、最初の大型バイクがこのBMWであるとのこと。それもあってか、
「車のすり抜けは怖いんですよね。ほんとに。」
いやぁ、仰る通り!
最近、中年代のオートバイ事故が取りざたされているが、誰もがパワーのある単車に比較的容易に乗れる時代ではあるが、逸る気持ちが右手首に直結するともはやオートバイは凶器に変わる。これを理解し、自制を保った上でオートバイを運転できるのが「大人乗り」であろう。我も、気持ちを引き締めてツアを楽しまねば、と心改めたしだいである。
今夜の宿は決めてはいないけど、今日明日と東北磐梯山周辺まで行かれるとのこと。
この方はBMWの人ではありませんでした。ちなみにこの巨大なエンブレムは、立ちコケでついた傷を隠すために特注でつくったものとの事でした。
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