浜松合宿
猫の顔は旧友と共に静岡県は浜松に合宿に行ってきました。合宿とは名ばかりで、実は愛車CB650の足回りの整備をすべく浜松はニコニコ商会さんに向かったのでした。
あの、感動のSSTRの後に、我がCB650の特にチェーンはガシャガシャといかにも伸びたチェーンと減ったスプロケが醸し出す不愉快な雑音と共に走る古い壊れそうな二輪車を絵に描いたような状態でいたのでした。
SSTR後に、猫の顔もひたすら消耗部品をあちこちと探しました。フロントのスプロケは日野市のアールプロダクツという著名な旧車の部品屋にリプロ品の新品がありました。3000円。
ついでにフロントのフォークオイルシールもリプロ品で入手しました。2800円。
リヤのスプロケはヤフオクで、沖縄県の解体屋さんから破格の980円でCB650カスタム用が出ていたので入手しました。ほとんど新品同様の良品でした。チェーンはニコニコ商会様に新品デッドストック品の、「530サイズの104Lのシールチェーン(20年物)」があるという願ってもない情報を聞いたので、ここは浜松合宿と称して浜松での足回りの完全整備を目論んで向かったのでした。
8月2日(土曜日)0700に起床。SSTRから2か月経過しているのでバッテリーがあがっていた。車から繋いで、急いで荷物をくくりつけてのスタートである。服やらサンダルやらを用意していると時間の経過が早いのであった。
0908。自宅近所のガソリンスタンドで給油。199km、7.64L、26.05km/L。高結果であった。
ここから一路、圏央道相模原愛川ICをめざすが、相模原橋本のR16で道を間違い、そのままR16を南下してR246から東名厚木を目指して走ることにした。
天気は快晴である。このまま浜松まで無事にたどり着かなくてはいけないので、気が気ではない。SSTRの時でさえ、チェーンはガシャガシャとうるさかったので、今度こそ本当に切れるのではないかと心配で仕方がなかった。
無事に東名厚木ICから東名に入り、1132、東名足柄SAで休憩とする。二輪用のパーキングに荷物満載のBMWR80GS熊本ナンバーがいたがその隣に停めた。
BMWの荷物があまりにも多いのでジロジロ見ていたら、オーナーのBMW氏が話しかけてきた。BMW氏は北海道に行ってきたとのことで、満載の荷物の意味が解った。CB650をみて
「めずらしか二輪よね?」
と熊本弁丸出しでほめてくださった。
挨拶もそこそこに、休憩用のペットのお茶を買いに移動すると、かなりの賑わいである。これだから大きいSAは嫌なのである。
休憩を終えてまた浜松までの道のりである。SSTRと同様にメットの中で歌を歌ったが、SSTRの時より歌が思い出せなくて、ますます脳内の劣化が進んだことを実感した。
1315.東名牧の原SA到着。ここで、遅くなったが昼飯とする。冷やし中華とおにぎり2個。身体の水分が結構抜けているらしく、のどが渇いてあまり味わえなかった。
ただの水を何度かお代わりしてさあ、出発。もうすぐ浜松である。ためしにアクセルを開けたら150km/hまでは一気に出たからやはりエンジンは快調なのであろう。
浜松のニコニコ商会さんに電話を入れた。約束の浜松西IC出口に1400というのには間に合わないと告げると、大丈夫、問題ないとの力強いお言葉であった。
チェーン交換、フォークオイルシール交換なので、ニコニコ商会の腕では全く朝飯前の作業なのであろう。そういえば大阪からは、旧知の老眼に悩むK氏(一級建築士のインテリである。)も参加して下さるということを思い出して、旧友との再会を夢見たら走る元気も百倍というものである。
1421.浜松西IC出口。2台前に大阪のK氏が愛車SR400改で料金を支払っているではないか?思わずホーンを鳴らし、IC料金所出口で再会した次第。
指定されたカツドン屋の駐車場でニコニコ商会に電話すると、しばしの待ち時間で、ニコニコ商会さんは、ご自慢の軽トラ(ダンプ仕様)で颯爽と現れた。
さっそくニコニコ商会まで3台で走ったが、我がCB650のチェーンの音はひどく、よくも東京から250kmも走れたものだと自分で苦笑して納得した。
ニコニコ商会さん家でしばしの休憩のあと、さっそくCB650の解体ショーの始まりである。
お二人の手際の良さといったらとても素人とは思えないスピードと正確さでリヤのスイングアームをはずし、チェーンを抜くのであった。交換したチェーンと古いチェーンとのガタというか、延び具合の差は目視でもはっきり確認できるぐらいの差があったのには驚いた。
ここで、用意されていたのはリンクの多いシールチェーンであったので、これを切ることにする。サンダーでリベットの頭を飛ばしてピンを抜くという荒業で見事リンク数は102となったが、これでもチェーン引きが最大に引張っている状態なので、再度はずしてまたもやサンダーの出番である。パーツリストの表記通りに100リンクとした新品シールチェーンと新品スプロケをまとい、我がCB650の駆動系は完璧となったのである。
次はフロントフォークオイルシール交換であるが、トップのねじ(六角棒レンチのおおきいもので緩める)がどうしても外れずに、断念した。
でもいいではないか?スプロケ2枚新品シールチェーンをまとったわけであるし、猫の顔もますますCB650が好きになったわけである。
この日の晩飯はニコニコ商会さまの差し入れである高級牛肉による大BBQ大会となり、猫の顔は無責任に缶ビールを3リットルほど平らげて寝てしまった。
8月3日(日曜日)
ニコニコ商会様の奥方様のおむすびによる朝食。
ニコニコ商会ご推薦の航空自衛隊浜松基地の資料館の無料展示を見学していってはどうか?との誘いに乗り、浜松基地に向かうことにする。
しかし、なんという静かな走行音であろう。静かに力強く加速する様はまさに静かなる男のマシンの末裔である。ますます惚れ込んだ次第である。
自衛隊基地を見学後、ガスがリザーブなのが気になっていたので、浜松ICまでR1をガソリンスタンドを探して走ることにする。
1117。ようやく新幹線の高架を過ぎたところで出光発見。たっぷりと給油した。301km、14.2L。21.2km/L。そこからは浜松ICに向けて快調に静かに走り、浜松ICから東名高速に乗る。まったくなんという静かな二輪車であろうか?これが本来のCB650の走りなのだ。嬉しくて仕方がない。有頂天の猫の顔を襲うこれからの悲劇を知る由もなかった。
1435。東名中井PAで休憩。二輪車だらけであるので、本来の二輪車用パーキングには停車できずに日向の脇道に他の二輪車同様に路駐である。しかし、二輪車が多いのと、全く酷暑である。西日を受けてしぶくたたずむ我がCB650の雄姿をいったい何人のライダーが見とれて去って行ったであろうか。
さあて、来週のサザエさんは?との独り言と共に、しぶくたたずむCB650に跨り、颯爽とエンジンを掛けた。この時はすぐにかかっており、そうひどい状態でもなかったが、「スタンコ!」とローにいれて、スタート!というときに「あれれ?」の片肺状態である。さては強烈な西日でエンジンが冷めずに過熱したままであり、キャブがパーコレーションをおこしたか?とすぐに気付いたがもう本線を走行中である。なんせ3000回転以上は全く回らない。
速度は60km/h程度か?そうこうしているうちに、渋滞である。もそもそと全く走れない。時たま右側のマフラーから「スパーン」とバックファイヤーが出たりする。
こうなっては忍の一文字で自宅まで何としてもたどり着かなくてはならない。必死のアクセル操作で圏央道へ抜けて圏央道厚木PAに着いたのが1530。
冷やせばなんとかなるわい。とタカをくくっていたが、1600に厚木PAを出るときも同じ状況である。どうやら燃料供給がうまくできていないような感じである。シフトアップするとすぐにエンジンがストップしようとする。とにかくなんとかなだめてなだめて、中央高速八王子ICを出てやっと自宅に帰りついたのが1800。
原因不明である。一つ思いつくのは、浜松で給油する前にしばらくリザーブで走っていたので、もしかしたら異物が燃料供給経路に混入したかもしれないこと。自宅でマフラーを触ったら、右側3番4番が過熱しているのに、左側1番2番はそれほど熱く無い事。これから点火系ではなく燃料供給系であろうと考えた。
一般に4気筒の場合、点火系の故障なら、1番と4番、2番と3番がペアで壊れるから、3番4番と着火しているのであれば点火系ではないと踏んでいる。
この週末には実家への帰省ツーリングであるが、土曜日の一日で修理が可能であろうか?実は少し焦っているのであるが、何とかキャブの清掃だけでうまく復活するのではないかと踏んでいる。この続きは次回のお楽しみに。一難去ってまた一難。これが旧車の醍醐味であろう。
悔しいけれどチェーンが静かで嬉しいCB650に、ピース!
