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CB750Fourは長い間、ホンダのフラッグシップモデルであったことから、実に多数の改良(ホンダ社では設計変更、略して設変:セッペンと呼ぶらしいが。)が施されていたのは有名な話である。
最初期モデルはK0(ケイゼロ)と呼ばれているが、もともとこの名前はなくて、次に改良型として発売されたモデルに「K1(ケイワン)」と名付けられたことから遡って、その前のモデルということで「ケイゼロ」と名付けられたらしい。さらなる設変が施されて、Kのあとの数字が増加していくのであるが、筆者がこのオートバイを所有していた時に、いろいろ疑問を感じたことがあるのでそれを記載する。
① K0の最高出力
最初期モデルの、いわゆるK0は、確か最高出力が68PSで発売されたはずである。
筆者の記憶であるが、MC誌の74年の2月号で、「ナナハン実用総ざらい」という特集をやっており、その中でもCB750のK0については、68PSと記載されている。ところが、いつの間にかこの68PSの話はとんと聞かなくなった。また現在どの文献を見ても68PSの話は記載されていない。K1で初めて67PSとなったはずである。(手元にあるホンダのサービスマニュアルでさえ、K0の諸元は67ps/8000rpmと記載されている)
なお、K0のタコメーターのみが8500rpmでレッドであることから、68PSの話の片鱗は、垣間見られるのであるが。 (はて?真相をご存じの方は連絡くだされ。)
その後、最終型のCB750F2になると、タコメーターのレッドが、またまた、8500に逆戻りしているのが興味深い。輸出用ではF2は70PSに出力アップしていた。しかも、黒いエンジン塗装である。これの輸出名はCB750F3となっている。(聞いたことないなあ。やっぱり)
話はそれるが、このころからモデルチェンジ寸前の最終型のエンジンには黒塗装をするのが、ホンダの慣例であったのであろう。筆者は、最終型ホンダZ(軽4輪)のエンジンが黒塗装であったことを知っている。
② インジケーターランプ
K2で、初めてハンドルポストに4個のインジケーターランプが設置されゴージャズな雰囲気を出している。このインジケーターランプのパネルの仕上げにも数種類存在することをご存じであろうか?筆者の従兄弟の所有していた、薄緑色のK2ではこのパネルの表面の仕上げが、薄茶色のヘアライン入りであった。この仕上げの雰囲気が、4輪のN360の上級車種(スーパーデラックスや、カスタム等)のメーターパネルの木目の薄茶色と極似していたのである。
また、ウインカーのランプがK4以降では「TURN」と記載されているが、K2の初期モデルでは「FLASH」と記載されていた。その昔、ウインカーランプのことをフラッシャーランプと呼んでいたのは事実であるが、実に懐かしい響きではないか?また、ほかのK2も色々出会ったが、「FLASH」と記載されていたものは皆無であったし、ヘアライン仕上げのパネルも、ついぞお目にかかったことは無い。
さて、FLASHの記載はすべてのK2に施されていたのか、それともK2の初期モデルだけなのか?ヘアライン仕上げはいつごろまでなのか?なお、K0とK1では、メーター内部にインジケーターランプが内蔵されており、ちゃんと「FLASH」と記載されているのである。この70年代前後のオートバイのほとんどがメーター内部に何らかのインジケーターランプが入っていたと記憶している。
それにつけても「フラッシャーランプ」の響きの懐かしさよ。
③ オイルレベルゲージ
車体右側にはドライサンプのオイルタンクがあるが、このレベルゲージにも数種類存在する。ある時、筆者のK6と従兄弟のK2と、ひょっこり訪ねてきた従兄弟の知人のK0の細部の比較をしたことがあった。このレベルゲージのローレベルとアッパーレベルの2本の線の間に、それぞれ記載されている模様がすべて異なっていたのである。詳細は失念したが、ローとアッパーの線だけのものと、間に細かいレベルが刻んであるのと、ローレット模様が刻んであるのと3種類バラバラであった。
ちなみにこのとき筆者は人生で初めて、K0に乗ることができた。感動した。4連キャブの同調もきっちり取れており、自分のK6よりも低速からはるかにスムーズに加速していくのには感動したのと同時に、自分のK6の整備のお粗雑さを恥じた次第である。なお、このK0のオーナーは筆者と同じ年齢であり、別冊MC誌ではこのK0でアメリカ大陸を走ったことが掲載されていた。
いま、あの方はどこでどうしているのであろうか?当時は水泳のインストラクターをされて居たような記憶がある。
もうすぐ、正月である。2010年も終わりに近づいた。しかし、オートバイに対する筆者の興味は、年齢とともにますます深まっていくばかりである。
ああ、こんなに楽しい趣味があろうか!
いやあ!オートバイってほんとにいいものですね!(映画評論家のマネです。)
執筆 猫の顔